ダイヤモンドの輝きブリリアンスとは?他にも光の種類が有る?
ダイヤモンドの輝きは様々ある宝石の中でも特別です。特に神秘的な輝きを発揮するダイヤモンド、表現される輝きにはいくつかの種類が有ります。その中でもブリリアンスはとっても大切なダイヤモンドの輝き要素です。英語表記ではbrilliance、直訳の意味は光輝、光明、光沢、明るさ、すぐれた才気、明敏さ等です。ダイヤモンドの輝きとして表現される場合には全体の輝きや明るさとして表現される事が多いようです。ブリリアンスは4つの光の総合
ダイヤモンドの輝きは虹の閃光を放つ内部反射と白い閃光を放つ外部反射の2種類が大きくあり、その輝きにそれぞれ名前が付けれれています。虹の光 内部反射はディスパージョンやファイヤー、白い光 外部反射はシンチレーションやラスターと呼ばれます。そしてこの4つの光の総合をブリリアンスと呼びます。
ページヘッダー写真は非常に美しいブリリアンスを放つダイヤモンドです。以上2種類の光はそれぞれ白い光と虹色の光に分類されさらに二つづつの光の名称で表現されます。4つの光はそれぞれ独立しているものでは無く、隣り合って影響し合う関係が有ります。ひかりの数値が上がれば綺麗なダイヤモンドと言うわけではない
ダイヤモンドが美しい輝きを放つには、単に光の数値が上がって白く明るいだけでは人間の目には美しく輝いているとは映りません。例えば光を直接反射する大きな鏡を考えてみてください。それの光は強く、目がくらむほど明るいですが、美しさを感じる事は困難で眩しすぎて心地よい輝きと言うものではありません。
ダイヤモンドが光学効果の適切な組み合わせを生み出し、輝きを放ち、人間が美しいと感じるには光のコントラストとスペクトル色相が発揮された輝きモザイクのバランス、そして動的な光のオンオフを現すようなシンチレーションが必要です。ダイヤモンドの輝きにはコントラストも重要
ダイヤモンドのカットグレード等を管理するGIAでは、それらの項目を数値化して輝きを判定する事に対して美しさを現すものではないと警鐘を鳴らしています。人間は数値でこちらの方が高い数値だと言われればそれを信じてしまう傾向が有りますが、前述の「光を直接反射する大きな鏡」の様に高い光の反射が有ってもそれだけで美しとはならない所が宝石の面白い所で、特にダイヤモンドの輝きはそんなに単純な足し算では表現する事が出来ないのです。
ダイヤモンドの星の様な煌めきシンチレーション
ダイヤモンドを輝かせるには、いくつかの要素が必要です。光を効率的に集めて最適なコントラストを作り出して輝くように、原石を最適なサイズに切断カットして研磨仕上げする必要があります。
ダイヤモンドが適切な比率にカットされていないと、パビリオンから光が漏れ、全体的な内部反射と明るさが失われます。カットデザインはまた、ダイヤモンドが動いているファセットの中で光のオンオフの様にモザイクが美しく点滅するように研磨仕上げする必要が有ります。
光の濃淡の様な構造化されたコントラストを備えている必要があり、コントラストの足りないダイヤモンドは美しいを感じる事が出来ないのです。この光のオンオフの様なスパークリング効果はシンチレーションと呼ばれ、ダイヤモンドが美しい輝きを放つために必要です。
また動的な輝きの中にダイヤモンド内部での屈折によって生まれる輝きのスペクトル色相が虹色の光となって相まって輝きます。美しさは単純な光の足し算では無く白い光と虹色の光のコントラストとシンチレーションのバランスなのです。
GIAの設計したエクセレントカットはダイヤモンドの輝きをコントロールするように設計されています。一つのファセットが輝いている時に隣り合う一部のファセットが暗くなって高いコントラストを示すように設計されているのです。優れたラウンドブリリアントは光源が動いているときにファセットのコントラストがまるでオンオフの点滅の様に強いコントラストとなって作り出されます。
光のコントラストは人間の目で見て美しいと感じるバランスに、よく分散されている必要があります。
コントラストが強すぎると、ダイヤモンドが暗くなることが有る為に強すぎるコントラストは好まれません。逆にコントラストが少なすぎると、ダイヤモンドは明るくなりますが、シンチレーションを欠き、美しさは落ちてしまいます。そのバランスは原石固体一つ一つ異なる為に熟練の研磨者の手で調整される必要が有るのです。虹色の閃光ディスパージョンは揺らめく炎の様
色付きのフラッシュは、ダイヤモンドの内部で反射するたびに分解され、大きな光の分散を生み出します。つまり、光はダイヤモンド内部での屈折によってスペクトルの色相に分解されます。高いコントラストで発揮されたスペクトル色相とシンチレーション、ディスパージョンがバランスよくまじりあう事がダイヤモンドの輝きの正体なのです。ダイヤモンドの輝きは光のどれかが偏って高くても低くても良くありません、また全ての数値が高くてもコントラストが失われる為に良くないのです。
美しいと感じる輝きのバランスが大切なのです。ブリリアンスはそれらの光の総合的な評価として表現されるのです。ダイヤモンドの美しさは原石の品質と研磨者の腕前で決まる
業界の格言ですが、輝きのバランスを整え最適な美しさを引き出すのは研磨者です。ブローチで指名するダイヤモンド研磨者はベルギー・アントワープにその人ありと言われているフィリッペンス・ベルト氏。
ダイヤモンドブランド、アントワープブリリアントでマスターカッターにも指名される同氏のダイヤモンドの審美眼は世界屈指。
同じトリプルエクセレントでも美しさに差が有ると言われる大きな理由はGIAの定める基準内に仕上がればよい。と言うレベルで仕上げたダイヤモンドと、原石の選定から行い、仕上がりに対して審美眼を持った熟練の研磨者が納得する迄突き詰めて仕上げきったダイヤモンドでは美しさが単純に異なるからなのです。