スイス研修の目的地、シャフハウゼンのフラージャコー本社に到着しました。
FURRER-JACOT社があるシャフハウゼンはドイツとの国境、ライン川の上流に位置する街です。ドイツはかつてスイスと国境を分ける際に、ライン川を国境にしシャフハウゼンは自分の国の領土にしたかったそうですが、スイスは自然豊かで歴史あるシャフハウゼンを絶対にドイツに渡したくなかったそうです。そのため↓下の地図を見ると、シャフハウゼンだけがライン川を挟んで唯一ドイツ側にあるスイスの州なのです。
FURRER-JACOTは、ここシャフハウゼンで150年以上前からリングを作り続けています。シャフハウゼンは自然豊かな街で、昔は鉱物の産出地でした。鉱物が産出されたことと、宗教的な背景から教会の装飾を造る金細工職人が多く、かつて教会芸術を支えた金細工職人が指輪作りをするようになったのが、現在のゴールドスミス(スイスの国家資格、金細工師)の由来とされています。
大変厳しい国家資格のゴールドスミスですが、そんなゴールドスミスが当たり前のように多く働いているFURRER-JACOTの本社。知れば知るほどすごい会社です!
いつもBROOCHのFURRER-JACOTブースのVTRで見ているFURRER-JACOT本社と、シャフハウゼンの風景が目の前にあるなんて、なんだか信じられない不思議な感覚でした。
社内に入ると昔のカップルの結婚写真(歴代オーナーの結婚式の写真!?)や昔使用していた職人さんの作業台が飾ってありました。
社内はクリンリネスが行き届いていて静かでとても綺麗な印象です。
今日は実際にFURRER-JACOTの工房で指輪制作をさせていただく体験型の研修です!
私は↓写真右のFURRER-JACOT工場長、スペートさんの案内で研修を受けさせていただきました!スペート氏はFURRER-JACOTに30年以上勤務されている方で、もちろんゴールドスミスでダイヤモンドセッティングを担当していた職人さんです。とても丁寧に色んな事を教えて下さいました!
いよいよFURRER-JACOT鍛造リング造りの工程を学ぶために、マシーンがある地下のコンピュータ制御室へ移動します。
最初に実際のリングのもとになる鍛造マテリアルを持たせていただきました!
フラー・ジャコーのリングで使用されるマテリアルはそれぞれの素材が独自の合金で密度の高い金属素材です。
↑イエローゴールド(750YG)
↑ピンクゴールド(750PG)
ホワイトゴールド(750WG)
↑プラチナとパラジウム
(左Pt950、右Pd950)
やはりプラチナの方が重かったです!
工場では日本からの実際のオーダー「SAKURA」リングを制作している職人さんがいらっしゃいました。
↓SAKURA
この機械でリングの削り出しをします。
職人さんが実際のオーダー用紙を見ながら、リングの原型をCNCマシーンに入れて、厚みや幅を調整しダイヤモンドカッターで削る工程を見学することが出来ました!
CNC(Computerized Numerically Controlled)マシーンとはコンピュータで入力した数値に合わせて素材を削り、オーダー商品の形にしていく機械です。ちなみにこのCNCマシーンは超高額の精密機械です。
昔は職人さんが全て手作業で行っていたそうですが、今は精密な機械を入れることによって効率upをはかっています。
日本からのオーダー用紙をもとに「SAKURA」のリングの形状数値に合わせて全てコンピュータに打ち込み、リングを作成していきます。
鍛造プラチナはとても硬いため、削り出しをする作業はとても時間がかかり、マシーン内のダイヤモンドカッターはすぐに磨り減ってしまうそうです。さすが鍛造マテリアル!
さてSAKURAリングの削り出しを見たところで、次は手作業でリング作成を行っている職人さんを見学!ワイルドでかっこいいこの職人さんもゴールドスミス!
これはリング造りの最初の工程で使用する機械です。
実際の発注のサイズより2番(2号)くらい小さいサイズのリング原型を、このリングの造型機で鍛造しながら3番(3号)くらい大きくしていく作業です。この機械はリングを金型にセットしてテコの原理を使ってレバーを倒しながらリングを鍛造し成形する専用の機械です。とてつもない力が必要な作業ですが、簡単そうに短時間でこの工程を完了させてしまう職人さん!素晴らしい!!
そしてまた違う機械を使って先程の工程で一度伸ばしたリングを今度は3番(3号)くらいまた小さく縮めます。このように金属は、伸ばしたり縮めたり叩かれたり圧をかけることで、だんだんと金属密度が高くなり硬度も高まります。
とてつもないパワーが必要な作業です。実際に機械を触らせていただきましたが、私達の力ではリングはびくともしませんでした!!
さらに機械に入れながら手作業でターゲットサイズまで整形していきます。
その後、CNC(Computerized Numerically Controlled)マシーンでリングの厚み、幅をターゲットに合わせて削り、注文商品の形にしていきます。
コンピュータ制御室の中には超高額な機械が何台もありました。
精密機械の中には日本で作られている機械や部品もあるそうです。
↓実際にこの日も日本やアメリカや世界各地からのオーダーリングが次々と各工程箇所に運ばれていました。
コンピュータ制御室の見学を終えた後は、ゴールドスミスがデザインの作り込み、ダイヤモンドセッティング、刻印、最終仕上げを行っている工程を見学させていただきます!
その前にお昼の時間がきたのでランチ休憩タイムです♪
本日のランチはFURRER-JACOTのチーフデザイナー、ルーカス・ルプリさんの案内で、FURRER-JACOT本社の近くにあるレストランに行かせていただきました。
天気が良かったので外のテラス席で!楽しいランチタイム♪
私は子牛のソテーをチョイス。
お肉がとっても柔らかくて、ソースはこってり過ぎずあっさり過ぎず、コクがあってほどよく甘く優しい味で、パスタとソースの相性もvery good♪
ここでもしっかりデザートまでいただきました♪このレモンシャーベットは食後に食べるちょうど良いスッキリ感がたまらなく美味しかったです!!
ちなみに↑これはランチ中に飲んだドリンク!お酒ではありません
「rivella リッベェーラ」といってスイスではメジャーなジュース!オロナミンCを少しあっさりさせた感じの飲みやすい味で今回のメンバーに大人気でした♪
お腹も満たされたところでFURRER-JACOT本社へ戻り、後半はゴールドスミスの作業部屋へお邪魔させていただきます!